氏経

キャンパスに参り講読。
寛正3年6月から11月まで。翌年が遷宮あり。また氏経自身が一禰宜になったので記事の分量が多い。
記事を読みながら議論となったのが神事について。神事の儀礼について「恒の如し」とある記事は、どこまでの状態が如恒となるのか。朝廷の公事にしろ、如恒の違例の差って、儀礼史的に考察したのってなさそうな気が。
特に神事の場合、明治でばっつしと断絶しているので、現在の神事はせいぜい江戸期までしか遡れない。国学を中心としたグループが考察した儀礼が、どこまで考証しているのかが不明。
儀礼文化の方面でも、某祭が再興したというような研究はあっても、具体的な儀礼そのものも復元はないような。
古代史のWさんが研究していたような音声の世界で伝わった儀礼と、氏経の日記のような残されたものがあったとして、音声の世界はなかなか残っていないし、実証できないので、日記や儀式書から丁寧に追うしかない。
翻刻・校訂作業の後には、そうした儀礼史的なことを視野に含めてやりたいねと、談義す。