『東北教科用かなづかひ全』

1897年刊行の『東北教科用かなづかい』を落手し読む。
編著者は松尾捨次郎(扉の見返しは「捨次郎」。本文冒頭は「捨治郎」)。編者識すに「おのれは発音のあやまりおほき東北に生れて假字ちがひおびただしき青森縣にあるが故に假字を学びしむかしもかなををしふる今も苦しき事のみおほし」とある。この松尾先生は國學院の松尾捨治郎なのかしら。わからん。國學院の松尾捨治郎は1875生まれ。97年だと22歳か。また茨城県出身なはずなんだけど。。
NDLで「松尾捨治郎」と検索すると、一番古い著書は1908年の『日本文法教本』。この年齢だと妥当か。とはいえ明治期だと早く著書を出す人もいるし。
『東北教科用かなづかひ』に話を戻して、本書は弘前の文港堂の刊。緒言には「此の書は普通の假名づかひの外に東北に限れる假字及発音の誤謬を正さむとを期して高等小學上級及尋常中學尋常師範下級の程度に宛てゝ編したるものなり」とあり。
國學院の松尾先生は中学教員・校長をしてから國學院の教員らしいので、青森で中学教員をされていれば、あたりか。
ただ茨城は東北か?
國學院の85年史あたりには松尾捨治郎について何かあるか。後日確認しよう。