通勤読書

 福留さんの『名門譜代大名酒井忠挙の奮闘』(角川選書42)を読了。
 史料にある謄写本「御老中方窺之留」(2072-15)が出発点と云々。

 本書の中で、忠挙が親戚の小笠原家の問題に際して手を焼き、投げ出した時の話が面白い。以下、福留さんの訳。

「いくら誓詞を持って来ても私は相談に乗るつもりはない。誓詞を出すには及ばない。誓詞をいくら作成しても、後から破れば役に立たないし、誓詞を書かなくても今日から行状が直れば、どのようにもなる。そうであれば、相談しなくとも御奉公を勤めることができる」

 近世の誓詞も、現代の誓約も大して変わらないということか。
 本も非常に面白かったので、暇を見つけて「御老中方窺之留」を読んで見ようかしら。