- 『松尾大社史料集』記録篇一
- 「萬延二年日記」（記主は秦相命）
三月十五日、晴、神幸御神事如例、社家中束帯〈神方一﨟衣冠単、其外一同白張上下〉、外陣献供〈予、禰宜〉、（中略）
神輿出御遷宮如例、従旅所大行事参向、（後略）
四月三日、雨、御祭当日如例、早朝葵下行并花頭来、御迎神方、沙汰人三員来、正祝出会盃如例、綸旨拝見畢、旅所ヘ参向ス、大紋、立烏帽子着用也、
但、正祝出会者袼衣着用也、
午半刻月読社ヨリ只今神事始候旨告来、即刻二番太鼓叩候、無程出仕、社司中束帯、先参月読殿、拝殿着座、御舟神事畢参本宮、着呉服所之神輿追々還幸、遷宮式如例、前刻参葵桂也、内陣献供〈予、禰宜〉、外陳〈祝、権神主〉、大床〈権禰宜、同祝〉、階〈月読禰宜、同祝〉、下〈櫟谷、祝〉、祝章庭上〈予〉、奉仕畢、奉幣権神主、諸事如例、
- 「明治二年日記」（記主は秦相命）
三月十四日、晴、
神祇官ヨリ依召南三品出頭之処、
四月六日
上卿 清閑寺中納言
松尾祭
弁 勘解由小路弁
右之通被仰出、依之両家江挨拶ニ出頭之由也、
三月十九日、晴、
神幸御神事如例、巳下刻、社司中束帯出仕ス、外陣献供〈予、禰宜〉、大床〈権神主、権禰宜〉、階〈権祝、公文〉、階下〈櫟谷禰宜、櫟谷祝〉、遷宮四脚御門迄舁入、何茂無滞相済、（後略）
四月六日、申、晴〈早朝曇〉、
御国祭、当朝社司并氏人等束帯出仕、予付魚袋挿笏紙、又神方六位五人布桍、其外浄衣也、社役人者黄衣素袍着用ス、卯半刻出仕、参向之堂上、地下早暁より参着、入休所、上卿清閑寺中納言、宣命紅梅紙也、於拝殿勅使被読畢時、予出賜之奉内殿、（中略）、社司役之諸式午半刻比無滞相済也、
七日、晴、社家祭也、
早朝神方両人来、予出会盃相済、神輿御迎旅所江参向、綸旨、神宝等渡之、
一、未刻頃月読殿神事始、社司・氏人参向如例、神輿追々還幸、次神供備進何茂入夜亥刻比相済、（後略）
- 「明治三年日記」（記主は秦相命）
四月十日、晴、夕景より雨、
松尾祭次第、昨年トハ御改正相成一冊被相渡、左之通ナリ、書写可返ト云々、
松尾祭次第
（後略）
四月十二日、申晴、今日国祭、
卯半刻、社司并氏人束帯出仕如例、先辛櫃〈白丁貮人〉、黄衣六人随之、予尋常束帯付魚袋、神方六位之族布桍束帯也、其外神方者白張上下不随、献供ニ点検等之神方両人斗、是等布直垂着用有之事、
宣命使醍醐三位、辰剋休所江到着、内見無之、奉幣使植松三位同上、其外諸役人追々参着也、（後略）
同十三日、酉晴、
早朝、神方二人来、予出会、盃相済、神輿御迎参向、当年綸旨未出旨旅所預江申達也、
一、未刻、月読社江参向、神事始神輿、夕前追々還幸、神饌何も無滞相済、戌刻比退出ス、
- 「明治三年日記」（記主は秦相愛）
十二月二十日、曇、朝雪少々降、午後止、
一、来〈未〉年正月ヨリ諸事御改正ニ相成候廉々、神方・役人ニ其以下等江夫々達ス、請書取置也、右廉々奥ニ記ス、左之通、
（後略）
- 「明治四年日記」（記主は秦相愛）
二月七日
同日 京都府ヨ 廻章ニ而左之通被達〈但、下鴨社始順達ニ而到来也〉、
諸国社寺由緒之有無ニ不拘、朱印地除地等従前之通被下置候処、各藩版籍奉還之末、社寺ノミ土地人民私有之姿ニ相成不相当ノ事ニ付キ、今度社寺領現在の境内ヲ除ノ外、一般上知被仰付、追而相当禄制被相定、更廩米ヲ以テ可下賜事、
但、当午年収納ハ従前之通被下候異、
（後略）
三月廿五日、曇、不定晴、三卯日、
神幸神事如例、惣参、辰刻出仕、社司・氏人束帯、
（後略）
(四月五日、秦相命、京都府へ神主辞職の願書を提出)
四月廿五日、雨、甲申、
御祭御当日、朝卯半刻前一同出仕、社司・氏人束帯、神方六位袍桍束帯、其余之神方総而白張・浄衣着用、
辰刻頃過、勅使始一社之休所江着、即刻神祇官御用召ニ付、正祝〈予〉出頭候処、総而一社之設物且其余之処相整居候哉御尋ニ相成、都合宜候ハヽ相催候様御達シニ相成候、
(後略)
廿六日、曇、午後晴、
社家祭、当日朝神方二人旅所江御迎ニ参ル、例年社務所江出頭掛罷出候得共、近年綸旨モ無之、且当年ヨリ神宝モ不持行ニ付、入来ニ不及旨、昨日相達、依不参、未刻、社司・氏人出仕、束帯、先月読社江参向御船神事如例、畢而有献、従前之通本社江参仕、同未半刻頃神輿還幸遷宮如例〈公文代権祝勤之〉、内陣献供所役如例、新宮社献供如例、呉服所庁参如例〈不参人昨日通〉、右無滞申半刻頃相済、一同退出、
(六月十八日、官幣大社に列せらる)
- 『松尾大社史料集』記録篇二
- 「明治十九、二十年松尾社日次記」（記主は秦相愛）
四月二十日、晴天、
一、松尾神社神幸神輿渡御、早朝ヨリ出勤、御旅所迄供奉ス、入夜十時頃帰宅ス、
廿一日、晴天、
一、早朝ヨリ出勤、午後御旅所江見廻リニ出頭、
五月四日、晴天、
一、松尾神社神輿還幸祭、早朝より出勤神輿供奉ス、入夜退出、
