秋の特別展示

伝聞、仁和寺の展示で重文の「孔雀明王同経壇具等相承起請文」が出ていると云々。
来月見に行けるかどうかだけど、内容が気になったので些かリサーチ。
仁和寺文書は文化庁の方で調査が入っていたような。但し編纂所にも写真帳・影写本がある。
今回の展示の現物を見ていないので、断定は出来ないけど、恐らく仁平3年3月19日の「御室覚法法親王起請」以降、建仁・貞応・寛元と続く起請ではなかろうかと。ちなみに仁平3年の起請は平遺に無し。但し、佐藤先生の『古文書学入門』の「起請」の説明で、途中省略があるものの掲載されている。
事書は仁平・建仁・貞応・寛元と総て「立起請 門跡相承本尊大孔雀明王同経壇具等事」と有り。
内容を見る限り他人呪詛の制規・制誡なので、文書名としては「起請文」というよりも「起請」という方が正しそう。但し、建仁の起請では、仁平時の起請を「起請文」と書いてあるから、当時としては「起請」とか「起請文」とかの区別は厳密ではなかったと考えるべきか。
また、最初に仏神や祖師に敬白し、知見・証明を請うという形式は、勧請型起請文の前進と言われれば、確かにそうだなぁと思ったり。
ともあれ、現物が展示されているならば、是非とも覧たいところ。行けるかなぁ。。。