山本小右記

501室にて。参加者は先生、小保内さん、田井さん、大塚さん、柿島さん、私。
まず小保内さんより前回宿題となった、中央が諸国へ宣旨を出す意義についての報告。その後、四月十九日条講読。
以下、講義のメモ書き。

  • 上位者が下位者へ命令を出すことが「宣」。原則は一つの行政区画内。
  • 天皇が出す場合は、八省百官総てに及ぶ。
  • 発した者が変われば、再度出さなければならない。つまり普遍性・永久性がない。
  • 宣旨は、外記方・弁官(史)方・蔵人方から出される。
  • 外記方→太政官の内部の運営について。宮中行事・陣定
  • 弁官(史)方→太政官から八省に出す時、太政官組織での命令系統の宣旨。
  • 蔵人方→本来は、総て宣旨は蔵人経由のハズ。しかし殿上に弁官が入ってくるため、直接天皇の意を受ける場合がある。
  • 「宣旨」には名称がない。当時の人はどう分類したか。→伝宣草や宣旨目録を作って対応していた。
  • 格式であるものは、宣旨を出す必要が無い。先例・慣例で培われた内容を発する場合に宣旨は必要。こうした格式を弾力的に運用するため、宣旨が多様化する。
  • 摂関政治は宣旨で動く。その先例を下支えするのが日記。実資は実頼の日記(清慎公記)をあんちょこ化。
  • 律令政治から摂関政治への仕組みを知らないと宣旨は分からない。