『被定御禊前駆事』
八日、乙巳、潅仏如例、今日無内御潅仏、縁当山科祭、大外記敦頼朝臣（菅野）注送禊前駆、右大臣（顕光）定申者、蔵人頼祐（藤原）・章信（藤原）候禁中、而被定前駈、不可然歟、左府内々所奏行云々、左衛門佐孝明（平）・右衛門佐輔公（藤原）・左兵衛佐成方（源）・右兵衛佐公成（藤原）・左衛門尉頼祐・右衛門尉章信・左兵衛尉章任（源）・右兵衛尉時通（源）・左馬権助資平（高階）・右馬允源惟頼、
左中弁来云、昨日斎院奏状〈御輿蓋綾〉、以頭弁（源道方）令申左府〈依被候内〉、而以度々申請三年一請物可充用者、院司申云、三年一請物有充用之色、至御輿并行具等給料物所令修理也者、亦以此旨触頭弁、々々云、依無便宜不能伝申者、播万国司未進禊祭料米〈百五十石〉云々、仰可給催宣旨之由畢、
『吉田祭饗中宮可被奉仕、而依穢延引事』
九日、丙午、左中弁来云、前加賀守兼澄朝臣（源）申斎院三年一請絹事、今朝左府被命云、免暫催責者、子細不注、又云、皇太后宮（藤原彰子）俄悩給、左府被営参、僧等奉加持、頗宜御坐由彼是云々、又云、十五日吉田祭、而彼祭饗中宮所被奉仕、依内裏穢不可有饗、仍可用廿七日子日云々、但平野・松尾・梅宮等祭不延引云々、又云、中宮廿七日可入給内云々、彼日定后日也、然而時剋有前後、有何事乎、是俊賢卿所申左府云々、蔵人業敏来、下内蔵寮請奏〈松尾御幣料〉、便下左中弁、
『東三条井底沈呪咀物事』
十一日、戊申、光栄朝臣（賀茂）云、今朝依召参左府、命云、東三条院井底沈餅数枚・人髪等者、吉平朝臣（安倍）相並占推、頗見呪咀気、従正月中宮座此院、 晩頭出河頭解除、依恐世間不浄、
黄昏大外記敦頼来、申雑事次云、去月（三月二十六日）小除目、依左相府被定申、被仰当日上臈大納言道綱卿（藤原）、於仗座所被行、不書別式部・兵部、書一紙、内覧左相府、々々〔相府〕返難云、書二紙可被奏者、仍如彼命令改事】書、経奏聞、左宰相中将経房（源）書之、可給下名之事委中納言俊賢卿退出、上卿縦雖不覚、執筆人不可書一紙、共是不覚也云々、式部下名未給、丞在平（高階）乍候内不参云々、大納言道綱卿任中宮大夫（二月十四日）、未行公事、而先令申御読経巻数、其作法極不便、堂童子事仰御読経行事弁云々、弁経通（藤原）不承引云々、御禊前駆事問案内云、皆申参内之由、既可無不穢之人、仍所被定申人也者、
『平野察上卿并弁不参事、以弁代被行』
今日平野祭、上卿・弁不参、以弁代被行云々、左中弁一人、依為賀茂祀行事、不触穢、而請犬死仮云々、
「除目内覧一切不問事也、」
