『日本神道史』(岡田荘司編 吉川弘文館 2010年)

「3 多様化する神道 −平安時代・中世」より

国司の初任神拝
 平安中期以降、中世の神祇体制は、中央朝廷による畿内近国を対象とした二十二社奉幣制と地方の諸国一宮制が成立する。この二つの祭祀制を一括し、中世の国家的神社制度(体制)「二十二社・一宮制」とみる意見も出されているが(井上寛司、二〇〇九)、二十二社が中央朝廷の意向を強く反映しているのに対して、一宮制は国ごとの在庁官人・国人層を基盤としていて、その体制維持の機能には差があり、成立時期についても一致しないなど、この二つの祭祀制には隔たりが見られる。