皇室の名宝展

 29日まで開催されている東博の企画展へ。
 雨の平日だから多少は人が少なかろうと思っていたけど、大間違い。内容の濃さもあってか、人だかりの多いこと×2。
 じっくり見ようとしても、流れを止めているため押される+睨まれる。人が少ない時がないものかしら。
 特に正倉院御物など、第一章・第二章の人だかりはハンパ無く、文書と記録が見たいなら、平成館二階に上がったら、サクッと右側の第二章途中から見た方が良いかも。
 そして。見たかったのは、天子摂関御影と伏見院宸記と花園院宸記と看聞日記。
 伏見院宸記の展示部分は、巻一の弘安十年十月廿一日条からと、巻五の正応五年正月の具注暦。
 花園院宸記の展示部分は、巻廿九の正中二年(元亨五年)正月の具注暦と、巻卅五の光厳の大嘗会御禊記の別記の絵の部分。
 看聞日記は巻十三の永享二年十月廿六日条。後花園の大嘗会御禊行幸の見物をした際の記録。三点とも図録には釈文無し。次行くときは刊本を持参すべきか。
 他は蒙古襲来絵詞や春日権現験記絵が長〜く展示されており、秀逸。
 襲来絵詞の展示部分はやはり山場の後筆かといわれている蒙古兵三人衆。来年の講義の時のネタにしよう。


 平成館からは、観たい(読みたい?)物だけを観て次は本館へ。
 本館の方は閑古鳥。こっちの方がある意味お勧めですなぁ。
 一番魅入ったのは、二階の「武士の装い」にあった「尊氏書状」。日付は(文和元年)六月五日で、坊門殿(義詮)に対して赤松の所領に関して言い送っているもの。これは南北朝遺文に入っているのかしら。ユニオンカタログでさらっと見た限りは無かったけど。
 後日確認してみよう。
 あと、史料が欲しくて、ミュージアムショップにて『東京国立博物館紀要』39号を購入。

  • 安達直哉「「各種具注暦」の中の『尋覚大僧正永仁七年暦記』について」