天皇論

 とある雑誌で載っていると教えて貰って8章から読み始めましたが、なかなかにファンタスティック。
 もし現代の人々が天動説を信じていたら、科学者が地動説と考えていても教科書に書くなと言ってるようなものとしか思えません。論証をするときに最後の段になって「神(でもいいし、天皇に置き換えてもいい)はえらいからそうなのだ」とか「そこに神はおわす」という話は学問的態度ではないでしょうに。少なくとも歴史学は。

 それに諡号制を分からずに、知ったかで語るのもなぁ。
 聖徳太子なんて、天皇が贈った追号でもなんでもないやろうに。
 東大寺文書には「本願皇帝則聖徳太子之再誕也」(鎌遺25706号「東大寺注進状」)と聖武天皇の前世の人っていう設定がありますが、そうした話が出来あがって、聖徳太子と称せられたんじゃないですかね(これは思いつき。古代史ではどういわれているかは知りませぬ)。
 皇太子で諡を贈られたのだと醍醐の息子の保明親王がいるくらい。文献彦太子と云々。元々、皇太子に対する追諡は極めて少ない。

 あと、明治と大正のを帝室制度史で読みなおしたけど、官報以外はなし。一世一元で追号を定めたという詳しい話はドコを捜せばいいのか。