通勤読書

 野中尚人『自民党政治の終わり』(ちくま新書)を読了。

 自民党システムとは、巨大かつ柔軟な党本部組織と膨大な後援会組織を通じて社会の隅々までネットワークを築き、ボトム・アップとコンセンサスを軸とする分権的色彩の強い政策決定システムと、年功に基づく平等な人事システムを組み込んだ組織原理を持ち、官僚機構との共生のメカニズムを通じて形成された巨大なインサイダー政治の体系である。これが、一九九〇年代からの変容を始める前の、いわゆる「五五年体制」期の自民党体制の姿であった。