知性

 知性とは、未知なる他者との共存が出きる能力とだと思うのだけど、象牙の塔に籠もる人々と、社会に出てる人との考えうる「知性」には何か違いがあるのではないかと思う今日この頃。つまり真理探求と為政能力というか、両者とも片方あればいいと考えられている気が。でも本来身につけるべきものは双方相まったもんなんだろう。
 私なんかは学問をする前に社会に出て、八方上手くまとまることを最上とするから、「真理だけを述べれば正しいのは自分で、理解できない他者は愚者だ」という論理にはなじめないんだよねぇ。
 もちろん、論文で書いた自説に自信はあるけど、あくまで論文ってのは「現在を生きる自分が史料を読み再構築・提示した歴史像」でしかないから、将来批判されたり覆されたりするのは当然だと思うし。
 ただ、先行研究があって初めて新しい学説が紡ぎだされるという心構えは、学問では当然のこと。それが、学問で身を立てたいと思う人間の拠るべきところなんじゃなかろうか。
 まぁ、ここまでエラソーなことを書いておいて、実践出来ているかというと、微妙だけど。
 ともかく、実証だけでその先を描けないのに論理を非難するのも、その逆にもならないように気をつけたいもんです。